2006年01月13日

迷って立ち止まり中

迷って立ち止まり中経営はロマンだ!」最近読んだ本。
クロネコヤマトの宅急便を作った小倉氏が人生を振り返って書いたもの。
業界の難しい話はほとんどなく、話し言葉で文章が短く切られて書かれているので、
例えば、「え?ちょっと待って下さい、今言ったのはどういう意味ですか?」
とか考えたりしないで、
「ええ」「はい」「そうですね」と相づちを打ちながらひと息に読める感じ。

そして読んでいて、なんだか夏目漱石の「坊ちゃん」を思い出してしまった。
真っ直ぐで、ひと所に留まっていない感じ。
これがボクが受けた、小倉氏のイメージ。

で、「発想の転換が素晴らしい」とか「非常に行動力のある人だ」とか
「自分の信念を貫くパワーに恐れ入った」とかもあるんだけど、
今のボクには、「物事をシンプルに考えてみよう」とか「まずやってみよう
とかいうメッセージをこの本からもらったように思う(勝手にもらったんだけど)。

実は今、転職しようかどうかで迷い中なのだ。

今の職場で働くようになって1年半近くになる。
仕事自体はまぁまぁ自分に合っているような気がする。
でも正直いって、一生続けられるような仕事ではないな、とも思っている。
なぜなら、心身が不健康になったり、家族など周りの人に負担を掛けるほど、
時間とパワーを仕事につぎ込みたくないからだ。
仕事熱心な人には怒られそうだけど、仕事に打ち込むだけがボクの人生ではない。

そして、ちょうど今は仕事が忙しくない時期だというのと、
家族に転職するように勧められているのとその他の理由で、
この間上司に話を切り出してみた。

交渉の上手い上司はボクの辞めたい理由を「これはこうしてみてはどうか」などと
バッサバッサと斬っていく。
しまいにはボクの関心を惹きそうな仕事の話をして、
仕事を続けるように畳み掛けてくる。
ボクが返答に詰まっていると、迷っている心の内を見透かされてしまい
「結局、君はどうしたいの?」
とまで言われてしまった。
「完全に相手のペースにのまれているし!」(と、あろうことかミド吉に指摘されてし
まった!)

う~ん、どうしたらいいんだろう?
と思っているときに冒頭の「経営はロマンだ!」を読んだわけだ。偶然だけど。

小倉氏が今(というか、この読み物を書いた時点で)、
取り組んでいるのは障害のある人が自立できるような職場・仕組みを作ること。

でも、よくあるような慈善事業とはちょっと雰囲気が違う。
というのは、
「障害者に月給を1万円しか渡さないで『自立を』というのはおかしい」
と思ったのがことの始まりだそうで、
「最低でも月給10万円払える職場とその仕組みを作らなくてはいけない」
と言って、実際に作ったのだ。

シンプルに考えたらその通りなんだけど、その後、ボクならあーだこーだと考え
て実行に移すのに二の足を踏んでしまうだろう。

それは、小倉氏に言わせれば、
「こうしたい」という夢なり信念なりが見えてきたら、
「それを実現するためには何をするべきか」と考えて、
現実に近いところに目標を落とし込んでいって、段階的に達成していけば、
だんだん自分の描いていたものに近づいていける。
その途中で失敗したり間違いに気付いたりすることがあるだろうけど、
それはその時点で非を認めてまたやり直せばよいのだ。
ということなんだと思う(ボクの解釈だけどね)。

確かにそうだ。

で、今ボクは転職しようかどうかで迷い中だ。

「辞めよう」と思っていたのが、上司と話しているうちに
「仕事を続けようかな」という気持ちに傾いてきている。
だったら、辞めるのは止して、続ければいいのだ。
でも、仕事を続ける、という決断を出すのをためらっているのはなぜだろう?
仕事を続けるには、何かに邪魔されているか、または何かが必要か、ということかな?

ちょっと、分かりかけてきたような気がする。
その「何か」が自分で解決できそうならすればいいし、
誰かの協力が必要なら頼んでみればいいのだ。
そうだ、そうだ。
でも、もしできなかったら?
それは違う。というか、まずやってみたらいいのだ。
そうだ、そうだ。

というわけで、何かに行き詰ったり迷い中なら「経営はロマンだ!」を読むといいと思う。



Posted by しろたん来ました at 01:41│Comments(4)
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経営はロマンだ!
 − 私の履歴書・小倉昌男 −
小倉 昌男 著

価格: ¥630 (税込)
単行本(ソフトカバー): 224 p
サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 日本経済新聞社
ISBN:...
何のため、誰のための仕事をするのか【小西学のオススメの本】at 2006年01月14日 00:06
ヤマト運輸二代目社長の小倉昌男氏の著書。

首尾一貫したお客様の視点に立ったサービス重視の商品作りに対する姿勢に感動する。

市場の声を聞いて聞いて聞きまくり、お客様の喜ば...
経営はロマンだ!【株式会社ぱど相澤謙一郎ブログ】at 2006年01月14日 15:14
この記事へのコメント
経営はロマンだ!の評価というか、それは短い言葉で非常によく伝わってくるのだが・・・
それ以降の転職に関しての文章がよく伝わってこんなー
書きながらも、思いっきり迷っている感じ
迷走中っていうの?

居るよね、交渉上手
そういう人の相手をすると
「やりてだなぁー」
と思いつつも
「卑怯だぞこの野郎!!」
って叫びたくなる

あのヒット&アウェイてきな話術がなんともすっきりしないもん


まぁ、がんばって腹くくる覚悟をきめましょう
Posted by 仙人 at 2006年01月13日 11:22
■仙人さん
こんにちは。
>迷走中っていうの?
ああそうですよ、タイトルにそう書いているし!

なんだかねー、気持ちは仕事を続けようという方へ傾いているんだけど
何か煮え切らないのですよ。

「何かに邪魔されているか」っていうのは、
この会社でやっていくことに少し不安を感じているからで、
(周りがどんどん辞めていくのと、
社長が従業員に対してどう考えているのかかなり疑問なので)

「または何かが必要か」っていうのは、
いつも「あー、割に合わないなぁ」と不満を感じている
(待遇をよくして欲しい、とかその辺りのこと)
ということです。

実際の職場の話ってどこまで細かく書いたらいいのか判断できないので
あいまいな書き方になってしまうんだけど、
これでなんとなく雰囲気は伝わるかなぁ?

あ、それと誤解されそうなので書いておくけど、
その上司は卑怯なヤツではないですよ。

ボクの書き方が悪いんだけど、
なんていうか悪気はないのがよく分かるので
「あなたがそこまでいうなら、ぜひ協力させて下さい。」とか
「いやぁ、根負けです。ボクもあなたには弱いなぁ。」と
ついつい言ってしまいそうになる感じです
(ますます伝わらん、と言われそうだけど)。
Posted by しろたん来ました at 2006年01月18日 16:46
しろたん様
おはようございます♥
私は何か決める時、そのものに対してプラス(好きな所等)の部分をまず排除し好き度を限りなくゼロに近づけ、そのゼロの部分で自分にとってどうか考えるクセがあります。
ネガティブで辛抱きかないタイプなので好きで判断するより、嫌いで判断した時のほうが簡単だからです。どーでもいいですね。ごめんね。
Posted by zoe at 2006年01月23日 10:55
■zoeさん
こんにちは。コメントをもらったのに放ったらかしで申し訳ございません。
本文中の難しい漢字の読み方を調べていたら
こんなに日が開いてしまいましたよ。
だってぇ、アタシあんまりアタマ良くないすぃー
っていうか、ギャル語を調べるのに時間が掛かっていたんですが。
はい、重ね重ねごめんなさい。

zoeさんが嫌いで判断する、っていうのももちろん「その通りだ」と思います。
というか、それが大人の考え方だな、と思います。
ボクはきっと子供なんです。
アメとムチのうちアメの方しか見えないので。

こんな性分なので、これからもこうやって
「面白そうだからやってみよー」と飛び込んで
コテンパンにやっつけられたり、あくせくしたりするんだろうなぁ、
と思うことは思うのですが。
こんなんでボクは立派な大人になれるんだろうか・・・。

それはともかく、アドバイスありがとうございます。
思い込んだらあまり周りが見えなくなるので、言ってもらってよかったです。
Posted by しろたん来ました at 2006年02月06日 13:05
 
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